錯誤無効(民法95条及び電子契約法第3条)(携帯版)



▼錯誤無効(民法第95条)
・錯誤無効
契約は「申込みの意思表示」と「承諾の意思表示」が合致した時点で成立する。 しかし、民法第95条の規定によって、申込み(または承諾)の意思表示に錯誤があった場合は、その意思表示を無効とできる。

・錯誤無効が主張できないケース
しかしながら、何でもかんでも無効とできるとなると不都合であり、錯誤のある意思表示であっても、表意者に重大な過失があった場合は、錯誤無効を主張できないルールになっている。


▼電子契約法の登場
・操作ミスが発生しやすいインターネット
ネットの世界においては、申込み時に入力ミスやミスクリックなどが発生しやすい。入力ミスやミスクリックが発生した場合に、それが重大な過失と認定されると錯誤無効を主張できないケースがあり、トラブルになりやすい。

・電子契約法の登場
このため、民法第95条に特例を設ける法律が作られた。これがいわゆる電子契約法。(電子消費者契約法と呼ぶこともあるが、一般的には電子契約法と言う。)


▼電子契約法第3条(民法95条 錯誤無効の特例)
・適用があるケース
(1)電子的画面を通した、(2)事業者と消費者の間に結ばれる契約であり、(3)事業者の設定した操作手順に従って、消費者が申込み等をした場合に適用がある。 ※なお、この(1)〜(3)までを満たしていれば、懸賞の申込みにも適用がある。(経済産業省確認済み)

・操作ミスの救済
民法95条の原則で言えば、表意者に重大な過失がありそうな場合はトラブルになりやすい。 しかし、電子契約法第3条は民法第95条を修正し、適用があるケースでは、消費者に重大な過失があっても民法第95条の錯誤無効の規定を使えるようにしたのだ。

・操作ミスの救済の阻害
しかししかし。ネットなら何でもかんでも錯誤無効とできるとなると、やっぱり問題がある。 そこで、「事業者がトラブル防止のための確認措置を講じた場合」や「消費者側から確認措置が要らないと言った場合」には、電子契約法第3条の規定を使えなくした。

※電子契約法第3条が使えなくなるということは、原則どおり民法第95条で錯誤無効か否かを判断することになる。決して「確認措置があった」=「無効を主張できない」趣旨ではない。


▼ワンクリ詐欺・ツークリ詐欺
民法95条の錯誤無効は、正常な契約を申込んだが、しかしその意思表示に錯誤があった場合に適用される。

いわゆるワンクリック詐欺やツークリック詐欺などは、そもそも消費者は正常な契約を申込んでいないため、電子契約法や錯誤無効を使うまでもなく契約は成立しないと解される。(経済産業省確認済み)


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